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草原の方へ-grassland

渡邊耕一

2003年1月20日(月)〜1月25日(土)
12:00〜19:00(日曜・月曜休廊・土曜日17:00まで)

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草原が眼前に広がると、わたしの心が騒ぐ。

数年前、北海道で初めて見渡す限りの草原を見た。北海道の草原は、わたしに 「見渡す」という身ぶりを教えてくれた。その広漠とした空間とテクスチャーが 持たらすある種の感覚。「見渡す」という身ぶりが持たらす多幸感。この感じ は、これまでもどこかで経験したことがなかったか?万博公園の雑木林を抜け、 芝の広がる空間に出た時、背の高い多年草が林立する三田の使われていない工業 用地に出くわした時、わたしは確かにその感覚を味わったことがあったはずだ。 北海道で、わたしはともすれば見失ってしまうその感覚を持続させる術を発見し たのだった。

草原のテクスチャーは、その土地の植生そのものである。その土地の特性を読み 取る術を学ぶためには、土地の植生と向き合わなければならない。その土地を歩 き、テクスチャーをよく見ること。そうすれば、その土地の気候や土壌、人とそ の土地との距離あるいは故郷とその土地との距離を読み取ることができる。

今やわたしはこれらの広漠たる草原を前に、サバンナの狩人や城砦の夜警さなが らに遠くを見渡し、植物学者のように草原のテクスチャーを観察する。

これらは、遠くからやってくる、あるいは足下に存在する徴を見付けるための行 為である。わたしは知覚を研ぎ澄まし、草原が隠している徴を探す。

 

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